船旅シリーズ第4弾。
現在日本で運航されている旅客フェリーの中で国内線最長航路である太平洋フェリー。太平洋フェリーの航路は、苫小牧(北海道)~仙台(宮城県)~名古屋(愛知県)の1,330kmを2日掛けて運航。もしくは苫小牧~仙台の区間運航を行っています。
今回は、2日間掛けて運航される苫小牧~仙台~名古屋航路。そして、フェリー・オブ・ザ・イヤーを何度も受賞している「いしかり」に乗船してきました!
目次
高速バスで苫小牧フェリーターミナルへ
この日は札幌市内をウロウロしており、苫小牧港には高速バスで移動。


高速バスの途中バス停である大谷地バスターミナルからバスに乗車。
ちなみに、苫小牧フェリーターミナル行きの高速バスは札幌駅前が始発です。
大谷地バスターミナルから高速バスに乗車し1時間30分。バスは苫小牧西港付近を走行。車窓に大型船が見え始めたので「太平洋フェリーの船はどこかなー」と探していました。

目的地の苫小牧フェリーターミナルに到着。乗車したバスは中央バスで、大谷地バスターミナルから1,340円でした。

バスの詳細時刻については、中央バスHP(とまこまい号)を参照ください。
苫小牧フェリーターミナル
苫小牧フェリーターミナルには3航路が就航しており、今回乗船する仙台・名古屋航路の太平洋フェリー。大洗航路の商船三井フェリー。八戸航路のシルバーフェリーが就航しています(2022年時点)。

フェリーターミナルの中へ。フロア案内を確認すると、乗船手続きは1階。正面入口は2階。フェリー乗船口は3階に該当するようです。

太平洋フェリーの乗船窓口は、上記写真にある階段を降り左手にあります。

乗船手続きを終え、乗船口のある3階へ。

苫小牧から各方面へ出発するフェリー。大洗、仙台・名古屋、八戸と、出発案内を見るだけでもワクワクします。

既に太平洋フェリーいしかりへの乗船は始まっていましたが、出航まで時間があったのでフェリーターミナルの展望デッキへ。
夕方の時間帯は各航路のフェリーが停泊しているので、見ごたえがありました。

太平洋フェリー「いしかり」
それでは、太平洋フェリー「いしかり」へ乗船。
フェリーの乗船口にはウェルカムボードが設置されており、いよいよ旅の始まりという感じがします。 ※300マイル=560km

今回はS寝台を予約していました。S寝台は乗船口と同じ5デッキにあり、階段の上り下りもなく、通路をひたすら真っすぐに進みます。

宿泊するS寝台の部屋に到着。S寝台はベッドが横一列に並んでおり、よくあるツーリスト(上下に部屋がある)タイプとは異なります。ツーリストタイプは、太平洋フェリー「いしかり」のB寝台にあたります。

S寝台の設備
S寝台をサラッと紹介。
掛布団はベッドのように厚いタイプではなく、薄い感じの掛布団。春~秋頃はこのタイプで良いかと思います。冬は暖房が入っているとはいえ、人によっては寒く感じるかもしれません。

電灯と小物置きに出来そうな網棚が一つあります。電灯の所にコンセントが一つあり、充電器&長いUSBケーブルを持ってきていると網棚にスマホを置くことが可能。ただ、長いUSBケーブルを所持していない場合は、S寝台の部屋で充電を行うのは厳しいと思います。

テレビ上には大きな荷物が置けるスペースがあります。ランクが一つ下のB寝台には荷物スペースが無いと思うので、リュックサックや荷物をベッドに置きたくない人にとっては、非常に有難いスペースだと思います。

なお、S寝台~2等にはタオルがありません。大浴場に入る場合は、タオルを持参するか売店で購入する必要があります。
甲板(出航前)
出航前に甲板へ上がり、苫小牧市内と夕日を眺望。雲も苫小牧市内にはほとんどなく、この日はとても綺麗でした。


ここからはフロアにある施設&設備をできる限り紹介。
売店(5デッキ)
売店はフェリー中央付近。エントランス近くにあります。営業時間は限られており、私が乗船した時は以下の時間帯に営業していました。
①18:00~19:30 ②20:30~21:30 ③08:30~09:30

中では北海道のお土産、太平洋フェリーのグッズ、大浴場で使用するアメニティ(タオル等)を販売。また、ソフトドリンクやアルコール、アイス等も販売していました。
S寝台はタオルが付属していないので、バスタオルや小さいタオルを持って来ていない場合は、こちらの売店で購入することになります。バスタオルは600円ですが、太平洋フェリーのロゴが付いているので、お土産としても便利です。
大浴場・給湯室&電子レンジ(5デッキ)
売店のすぐ近くには大浴場や給湯室・電子レンジの部屋があります。
大浴場は各港到着の30分前までは使用可能。夕方~夜に入浴するも良し。深夜、早朝に入浴するも良しという感じです。

ゲームコーナー・マッサージチェア(5デッキ)
上記写真の続きで、ゲームコーナーやマッサージチェアも設置されています。

Wi-Fi
太平洋フェリーのWi-Fiは事前登録制。Wi-Fiを使用したい方は、写真の下にあるリンクから登録してください。
ソフトバンクのWi-Fiで、ソフトバンク加入者は無料で使用可能。その他のユーザーは、24時間¥1,078です。

なお、私はWi-Fiの使用を行っていないので、海上航行中に繋がるかは不明です。
コインロッカー(5デッキ)
5デッキにはコインロッカーも設置されおり、貴重品を預ける時に便利です。

等級変更(5デッキ案内所で可能)
等級変更の案内がありました。上位部屋に空きがある場合、通常料金の差額を支払うことで、部屋の変更を行うことが可能。早割で乗船した場合でも等級変更が行えますが、通常料金を支払うことになるので、せっかく早割で安く乗船した意味が無くなります。
等級変更は、5デッキのエントランスにある総合カウンターで可能。

レストラン(6デッキ)
レストランは6デッキにあります。レストランは事前に決済する方法で、券売機がレストラン入口付近に設置されています。

2022年5月時点の料金や営業時間は、以下の写真を参照。レストランはバイキング形式となっており、好きな物を取ることができます。

苫小牧⇒名古屋で乗船した時は1度、昼食時にレストランへ入りました。レストラン内は広く、四角テーブル、丸いテーブル席が設置されていました。

欧風カレー、ラーメン、お肉料理。特に「鶏のピリ辛旨煮」は美味しく頂いたのですが、写真が微妙だったので本ブログには載せません。。。
スタンド「ヨットクラブ」(6デッキ)
レストランでそんなに食べないよ!という人向けに、レストランのすぐ横でヨットクラブという軽食やアルコールを提供してくれる場所があります。

食事のメニューはカレーやうどん・そば。ホットケーキ、スープ・・・。軽食といえど、豊富な種類を提供してくれます。
時間帯によっては、提供しない料理もあるので、要チェック。

ソファー・テーブル席(6デッキ)
ヨットクラブを通り過ぎると、海を見ながら座れる座席やコンセント付きテーブル席があります。S寝台やB寝台に宿泊している方で、パソコン作業や読書をしたい方に有難い場所です。

その他にも
自動販売機(5デッキ)、キッズルーム(5デッキ)
など設備があります。詳細については、下記のリンクから公式ページをご確認ください。
2日目(5月11日)
5デッキのエントランスホールにその月の日の出時刻が分かるようになっています。苫小牧⇒仙台へ向かう時、私は朝2時30分に起床。起床後はしばらく起きていました。日の出時間の一覧を見ていると4時20分頃に日の出が見れるということで、頑張って起きていることに。

なお、フェリーの甲板には7デッキから行くことができます。
日の出(1回目)
頑張って起きていた結果・・・良い日の出が見れました。
海から昇る瞬間、様々な形に変化する太陽。日の出をじっくり見る機会はほとんど無かったので、とても面白かったです。

日の出を見た後、反対側に行くと長い陸続き。この辺りは、海上とはいえキャリア携帯の電波が届きます。
スマホのGPSで確認したところ、岩手県宮古市付近を航行中でした。

仙台港へ寄港
苫小牧を出港して約15時間。フェリーいしかりは、最初の寄港地・仙台港に到着。この日の仙台市内の天気は曇りでしたが、雨は降っておらず気温も寒すぎずに丁度良い気温でした。

名古屋まで行く人も仙台港で一時下船が可能。ということで、仙台港で一時下船してみました。
名古屋港まで、まだ24時間残っているので途中の一時下船は身体的にも助かります。

なお、仙台港で一時下船する時には誓約書の記入が必要。これは、「大地震が発生した際には、フェリーは大急ぎで仙台港から離岸します。下船中に大地震が起きた場合、自己責任で逃げてください」というような感じです。
まあ、フェリーが港から離れるのは当然の処置なので、下船時に何か起きた場合は頑張って海から離れるしかありません。
仙台で2時間の滞在時間
さて、仙台港では約2時間の滞在時間があります。
何をするかは事前に決めており、仙台港から歩いて約20分の所にある三井アウトレットモール仙台港へ行きました。

フェリーいしかりの甲板からも三井アウトレットモール仙台港にある観覧車が見えていたので、大体の場所は把握できていました。
三井アウトレットモール仙台港で少し買い物。1時間滞在したのち、再び歩いて仙台港フェリーターミナルへ。
歩いて三井アウトレットモール仙台港へ行く場合の滞在可能時間は約1~1時間30分。2時間の滞在は少し無理があります。
仙台港での乗船開始時刻は12時。出航時刻の30分前までに戻る必要があるので、仙台の実質的な滞在時間は2時間。

なお、多賀城市内にはイオンがあるので、そちらで買い物するということもアリだと思います。フェリーターミナルからは約1.5km。イオンも歩いて行ける範囲なので、一時下船の行先候補に入れて良いかと思います。

仙台港 出港
12時50分。太平洋フェリー「いしかり」は、仙台港を定時に出航。お見送りしている方もいました。

14時40分ごろ、苫小牧方面へ向かう太平洋フェリー「きそ」とすれ違い。かなりの近距離ですれ違っていました。甲板で見れば良かったのですが、直前まで寝ていたので、あえなく船内の薄汚れた窓から見ることに・・・

日の入り(夕日)
それからは船内でパソコンを開いてブログを頑張って書いていました。海上なので電波が悪く、ブログの保存には苦労しましたが、なんとか進めていました。
18時頃になると日の入りの時間。GPSで確認すると、茨城県日立市付近を航行中。日の出も良かったですが、日の入りも綺麗。どちらも良い写真を撮ることができました。

なお、船内には「いま、どこ?」というお手製のペーパーがあります。手作り感満載ですが、海上にいると本当に今どこにいるのか分からなくなるので、非常に有難いです。

夜については、ソファーでまったり過ごしていました。夜ご飯については、昼のバイキングで沢山食べたので、そこまでお腹が空いていませんでした。その為、夜ご飯は食べていません。
朝早く起きたということもあり、この日も21時30分には就寝。翌日は東海地方を周り、名古屋へ向かいます。
3日目(5月12日)
この日も朝4時30分ごろに起床。エントランスで現在地を確認すると、静岡県沖を航行中。


もう少し詳細な場所が表示されると、御前崎付近を航行中。前日の就寝前は、千葉県犬吠埼付近を航行していました。
日の出(2回目)
この日の天気は曇り。名古屋に近づく頃には雨が降っていました。しかし、御前崎付近では少し晴れており、太陽の光が雲を照らしていました。

上記の写真を撮った後は、2度寝zzz
ホットケーキセット(ヨットクラブ)
8時前に再び起床し。朝食を頂きました。朝はヨットクラブでモーニング。ホットケーキセット(650円)を食べながら、船内でまったり。

伊勢湾(渥美半島⇒中部国際空港⇒名古屋西港)
太平洋フェリーいしかりは、その後も順調に伊勢湾を航行。


気付けば名古屋港内へ。名古屋港は工場や貨物船が多く、旅客船の太平洋フェリーはとても貴重。

昔は定期旅客船がもう少しあったようですが、現在、名古屋を発着する定期旅客船はこの太平洋フェリーのみ。
名港西大橋を通り、名古屋港に到着
名港西大橋の下を通る太平洋フェリーいしかり。名港西大橋は2本並んでおり、甲板から上を見上げると見ごたえがあります。

煙突は名港西大橋にギリギリぶつからないように通過。橋と煙突は至近距離なので、煙突から出る煙は車が通っている所へ。

40時間続いた船旅も遂に終わりの時。午前10時30分に名古屋へ到着。

40時間という時間を見ると長いように感じますが、乗船しているとあっという間。下船するのが名残惜しかったです。

下船後は、バスであおなみ線・野跡駅や地下鉄・築港口駅へ向かう方。同乗者の車に乗る方など様々でした。
自分は、あおなみ線の金城ふ頭駅まで徒歩。金城ふ頭~名古屋は、あおなみ線の列車で移動しました。
終わりに
苫小牧~名古屋の運賃ですが、今回乗車したS寝台だと15,700(A期間)。しかし、早割を使用したので半額の7,800円で乗車できました。早割は2か月前から予約可能なので、太平洋フェリーの乗船が決定している方は乗船する日の早割が空いているか確認してみてはいかがでしょうか。
なお、早割は他の等級への変更が不可。また、取消手数料が30%と高めに設定されているので、その点は注意が必要です!
太平洋フェリー空席状況(公式ページへ移動します!)
それでは、今回はここまで('ω')ノ
太平洋フェリー「きそ」特等客室 乗船記
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乗車日:2022年5月10日(火)~5月12日(木)